-12月- DECEMBER

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「…は?無理っしょ」 少し間をおいて 姉ちゃんは首を横に振った "何言ってんの?"的な顔で 「…やっぱり?」 「うん。あのクマ  店長の私物だし」 店長の、か…- だったら尚更だめじゃん… 「はぁ…」 肩を落とす俺を見て 姉ちゃんはため息をついた 「店長に聞いてあげようか?」 「え、まじっ!?」 「うん」 「お願いしますっっ」 スタッフルームに 入っていく後ろ姿を見ながら ドキドキしていた。 あのクマがないと、 明日のクリスマスは 終わりみたいなもん。 「涼介、いいだってさ」 スタッフルームから出てきて 姉ちゃんはそういい放つ 「えぇ!いいの!?」 「うん。  あんなクマでよければ、って」 「っしゃ!」 ありがとう店長さん。 そう心の中で呟くと ぬいぐるみを抱いた 「てか、そんなぬいぐるみ  何に使うの?」 「明日のクリスマスに必要で」 「あぁ、彼女さんにね(笑  頑張りなよ?いろいろと」 姉ちゃんはくすっと笑うと そのまま奥へと消えていった 俺は一息つくと ぬいぐるみを前かごに乗せて、 ゆっくりと家に向かった _
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