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「…僕などを捕らえてどうする気だ」
「フフ…徳川をおびき出すつもりだよ」
暗闇の中、ジャラリと音を立てる僕の手を拘束している鎖
「…徳川は僕のような者を助ける程馬鹿ではない
それに…僕は風来坊だ、確かに最近は徳川に居たが赤の他人だ」
「そういう強気な所が大好きだよ…
君は本当に美しいね」
ギリ…と音を立て歯を食いしばる
(何故こんな奴に捕まっているんだ…!くそっ)
ペッと地に血へどを吐く
スルリと僕の頬を撫でる手
「その汚れた手で僕に触るな」
「っ……!君、今の状況わかってないみたいだね」
そう言うと
バシンッ!
そう音を立て僕の体を打つ長い鞭
だが、そんな痛み戦場での傷に比べたらまだましだ
そのまま、男を睨む
「…ま、まあ良い
君はもう、私の物なのだからね」
そう言って階段の上に去る男
何故こうなってしまったのか…
「家康、少し寝てもいいかな」
その日、僕は疲れて家康に許可をもらい部屋で休もうとしていた
「ああ、むしろそうしてくれ
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