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お前のつらい姿は見たくない」
優しい家康に思わず笑顔をこぼし、そこを後にした
そして部屋に入ったその時
「っんぐ!!?むー!!!」
口に布を当てられた
そしてそのまま、気絶してしまった
そして今に至る
「お願いだから来ないでくれ…家康…」
罠だ
そう、これは奴らの仕掛けた罠
最悪だ…僕が油断していたばかりに…
何日も拘束されている為、鎖に繋がれた手首から血が滴る
鞭に打たれた体からも血が滴っている
殴られた頬は青くなり、殴られた拍子に噛んでしまった口の中は血だらけになり、口端から血が垂れている
(酷い有様だな…
このままだったら死んでしまうかもしれないな
だがまあそれも良い
家康に不幸が降り懸かるくらいなら…)
フッと、痛む傷を我慢し口角を上げる
(いや…違うな
自分のせいで家康が傷付くのを見たくないだけだ
なんて浅ましいんだろうな…)
自分勝手な自分に呆れ果てる
(このまま死んでしまえば良い…)
口を開ける
そして舌を少し突き出す
して、勢い良く噛み付こうとしたその時
ドーン
大きな音に思わず止まる
「な…なんだ…?」
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