エピソード3

4/5
前へ
/10ページ
次へ
すると、ガラガラと音を立て崩れ落ちる壁から現れたのは… 「家康…!」 「桜華!ここに居た…の…か…」 僕の姿を見て唖然とする家康 「何故来た!これは奴らの罠だ、来てはいけないのに…! しかも君以外誰も居ないじゃないか!」 「そんなのわかっていたさ」 ゆらりと歩み寄る彼 「家康…?」 「わかっていたがお前を奪われたんだ、一人で取り返すくらい簡単な話だからな だから取り返したら帰るつもりだったが… 気が変わった」 そう言った家康の目は、殺気が篭っていた その瞳に思わずゾクリとする背筋 「お前をここまで痛め付けたんだ あ奴も同じように痛め付けてやる…」 本気だ 「ダメだ、家康…殺気に呑み込まれるな ダメだ、ダメだ…! いつもの…いつもの優しい家康に戻ってくれ…!」 思わずボロボロと涙がこぼれる こんな家康嫌だ…! するとハッとする家康 「…すまない、我を失ってしまったみたいだ」 すると手枷を壊す家康 その目は、凄くつらそうだ 「ごめん…僕が捕まったばかりに…」 「お前が謝ってどうするんだ」 そういうと僕の体を抱きしめる家康 「すまない…儂が至らないせいでこんな傷を負わせてしまった…」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加