始まりの声

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久しぶりの五稜郭。初デートでウキウキしながら早雪は「奉行所」まで歩いた。 「やっぱり大きいね~。」 「昔に建てたのを中も再現したみたいだよ。」 「へぇ~」 観光客も多く、しっかりも見ていられないが一通り、中も見て歩いた。 「優君、ここには何があるの?」 切目緑を見てから、畳廊下を歩き、反対側へ向かっていた。 「そこは、映像シアターだよ。」 「ふうん……」 優は先に歩き、早雪はちらっと見たが、何か中で光っていた。 「映像…?」 早雪は障子を開けて中に入った。 「ひとつき…時間をやるよ……」 眩しい光が早雪を包み込んだ。 「……俺を愛してくれるか?………」 早雪はその言葉だけ、低く悲しい声が聞こえた。
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