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「何を願う…」早雪は思った。何を願う、どこから願う。
『この時代に願ったら、パパは死なずに済む?それとも嫌な過去を消してと願う?現代に帰りたいと願う…?土方さんに合わない様にと願う…?それは無理か…!?』
早雪が悩んでいると総司が笑った。
「早雪さん…悩むほど願いがあるんですか?」
早雪はそう言われ総司を見ると総司は優しく微笑んで早雪の手を握った。
「僕は一つだけ、願いました…」
早雪は黙って総司を見ると総司は優しく言った。
「早雪さんが、ずっとここにいますようにって…」
総司はニッコリ微笑んで早雪を見ると早雪は驚いた顔で総司を見ていた。
「早雪さん…前にいた国ではヒドイ生活だったって言ってたでしょ…?だからずっとここにいたらいいなって…」
総司はそう言って早雪の手を少し強く握りしめた。
「総司さん…」
早雪がそういうと総司が優しく微笑んで言った。
「早雪さん…何を悩んでます?わかるのですよ、ずっと見ていたので…何を…隠してるのですか?」
早雪は驚いて総司を見ると総司は真剣な顔で早雪を見た。
「ずっと、ここにいて欲しいです…でも隠し事はして欲しくない。教えてくれますか?」
早雪は真剣に総司に言われしばらくは考えた。
「信じられない事ですが、信じてくれますか?」
早雪は自分が未来から来た事やそこで父親が死んで、それから暴力を受けていた事、やっと一人暮らしをしても悪い夢ばかり見て、それが嫌で毎晩の様に遊んで忘れようとした事も話した。でも犯された事だけは言えなかった。そこだけはどうしても総司や土方には知られたくなかった。
早雪の話を黙って聞いていた総司は少し頭が混乱したようだが、しばらく考えて早雪に話した。
「早雪さんを信じますよ…今まで辛かったですね…」
涙目の早雪の頭を総司は優しく撫でた。
「総司さん…信じてくれて、聞いてくれてありがとう…」
そう言って早雪の目から涙が流れた。ずっと誰にも言えなかったのだ。
「神社は、願いを叶えてくれる所です…早雪さんは嫌な過去を忘れるように願いましょう。」
総司は優しく早雪に言って頭を撫でていた。
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