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早雪は土方に会いたい気持ちを抑え、朝御飯の用意に行った。
「昼前には帰ってきますよ…」
朝御飯の時にも土方はいなかったので総司は周りに聞こえないように早雪に小声で言った。
「そうですか…」
早雪は総司に微笑んで話す。今朝の事といい、これ以上、総司には心配かけられないと思った。
早雪は土方に話すのは怖かったが、早く話さなければいけないとも思っていた。
「もし本当に時間が限られているなら…少しでも会いたい…笑顔が見たいよ…」
そう思って時計を見た。
時刻は10時29分。日付は22。
「そろそろ、部屋にいるのかな…」
早雪は広間の片付けなどが終わると洗濯に行く前に土方の部屋へ行った。
「いるのかな…?」
早雪は少し障子を開け部屋を見ると土方は寝ていた。
「寝てる…?」
早雪は土方を起こさない様に部屋に入り障子を閉めた。
早雪は寝ている土方に少し安心して寝顔を覗いた。
「土方さんって寝顔も綺麗…」
早雪は思った。目を閉じているから、怖くない。早雪は更に土方の髪も触った。
「いつもは結っているから触れないけど…真っ直ぐで、黒くてツヤツヤな綺麗な髪…私とは全然違うなぁ…」
早雪の髪の栗色は地毛で柔らかい。パーマはかけているが元はくせ毛だった。
「やっぱり、綺麗な人だなぁ…」
そう思い嬉しくなって早雪は土方の髪を触っていると寝てるはずの土方に手首を掴まれた。
「!!」
「俺を襲いにきたか?早雪?」
早雪は驚いて土方を見ると土方の目は閉じたままだった。
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