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早雪は土方に掴まれた手首が痛かったが、今はそれどころではない。もしかすると「斬られる」と思ってる。震えるほど怖いが、土方には話さないと、総司にも迷惑をかけてしまう。早雪は黙って土方の次の話を待っていた。
「どこまで、俺達の事を知っている。」
早雪はその事は、答えたくない。確かにほとんど、歴史などは興味がなく覚えてないが、新撰組や土方の生き方くらいは知っている。中学生レベルの話だ。
「れ、歴史は苦手なので…名前しか…私は理系なので…あっ、理系とは算数?とかソロバン?とかの数字の事です…」
早雪が答えると土方は鋭い視線で早雪を見る。
「うぅ…ビームが…出てますよ、土方さん…怖いですよ…」
早雪は涙目で土方を見る。土方はまた、ため息を付いた。
「歴史は変えたらマズイよね?私の発言はヤバいでしょ?」
早雪は自問自答していた。が土方はまた話し出した。
「あと…お前は…」
早雪は気付かれないよう心でガッツポーズをした。土方はさっきの話は流したのだと。よかったと思ったら、早雪の一番、隠してる事を土方は話た。
「暴力だけじゃ…ないよな…?」
早雪は顔が一気に青ざめ土方を見た。
「お前は…俺に何て言ったか覚えてるか?」
早雪はそのまま土方の目を見ていた。
「死にたくない、何でもするって言ったんだ…覚えてるか?」
確かに、言った様な気がするがそれだけだ。それでバレるとは思えない。早雪はそう思ったら土方は薄く笑い早雪に言った。
「男に殴られて何回も言ってるから癖になってるだろ?お前の話でよくわかったよ…それじゃ男を煽ってるだけで犯されただろ?俺も男だからな。わかるんだよ。」
土方は冷たくそう言って早雪の手首を離した。
「……男だから、わかる…」
早雪はそのまま呆然と座り俯いた。
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