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早雪がウキウキしながら勝手裏へ行くとちょうど総司達に会った。 「土方さん…部屋にいたでしょ?」 総司は早雪に小声で話した。早雪はニッコリ微笑んで頷いた。 「ちゃんと全部話て、よかったです。明日からは書類を書くの手伝えって言われました。」 早雪が嬉しそうに話すと総司はニッコリ微笑んだ。 「それで…早雪さんは自分の気持ちがわかりましたか?」 早雪は今朝、総司に言われた事を思い出した。 「はい!会えると嬉しくなるって事ですよね!」 総司はニッコリ微笑んだ早雪を見て、苦笑いした。 「好きだって気づいてないのか…」 総司は早雪の嬉しそうな笑顔を見てそう思った。少しでも笑顔でいて欲しいと総司は少し笑って教えてあげた。 「早雪さんは僕にはそんな風に思いますか?」 早雪は不思議な顔で総司を見る。早雪は総司の事を考えたがそうは思わなかった。 「土方さんにはそう思うのですよね?」 早雪は黙って頷いた。総司はニッコリ笑って早雪の耳元で呟いた。 「早雪さんは土方さんが好きなんですよ…」 早雪はそう言われ、真っ赤になって総司を見ると総司は優しく微笑んだ。 「その気持ちは恋といいます。早雪さんは恋をしたのですよ。よかったですね、全てをわかってくれた人なら安心ですよね?」 そう言われ総司の顔を見て土方の言った事がわかった。 「総司さん…、全てを言えなくてごめんなさい。」 早雪はそう言って俯いた。 「いいんですよ。僕は聞かなかった方がよかったのですから…早雪さんがツラい事は聞けないですから…」 総司はそう言って優しく早雪の頭を撫でた。 「素敵な恋をしてくださいね。」 総司はそう言って優しく早雪に微笑んだ。 「ただ、相手が…僕じゃないのが残念ですけどね。」 総司はそう言って笑った。 早雪はそう言ってくれた総司の優しさに感謝した。 「あの人には強敵が多いですから、頑張ってくださいね…。」 意地悪そうに総司は小声で早雪に言って笑った。 「強敵…?」 早雪は考えた。確かに土方はイケメンな大人だ。ライバルは多そうだ。 「う~ん。」 早雪は考えた。相手は土方だ。どうしようと更に悩んだ。 時刻は11時38分。日付は22。 早雪は初めて自分が恋をしたと知った。
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