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土方は早雪に言って煙管を吸った。早雪は土方の言ってた意味がよくわかってなかった。
「こういう事…だったの?」
早雪は震えながら土方に聞いた。
「初めて会うのにお前は安心してニッコリ近藤さんに笑っただろ?だから、マズイんだよ。ここには男しかいねぇんだよ。わかるだろ?お前は異国の女なんだから、皆、興味があるんだ。少しでも気を許したら何をされるか…お前が嫌な事だって、わかるだろ?」
土方に言われて早雪はまた、震えてきた。男に対し自分の警戒心がなかったのが悪い。勝手にいい人だとか、安心したのだ、自分が悪いと早雪は涙目になった。
「近藤さんは俺でも逆らえない人なんだよ…でも先に話ておいて、よかったよ…」
土方は震えてる早雪の頭を撫でた。
「近藤さんにも俺が言ったから大丈夫だ…安心しろよ」
早雪は頭を撫でられ涙が溢れた。自分が悪いのに土方は助けてくれた。
「もっと…色々と気をつけます。」
早雪は泣きながら土方に言うと、土方は少し笑った。
「でもお前は…俺の小姓にしたから、安心しろ…誰もお前には手出しはしないからよ…」
土方はそう言ってまた、煙管を吸った。
「こしょう?」
早雪は涙目で土方を見ると土方は眉間に皺を寄せ早雪を見た。
「知らねぇのか…?」
早雪が頷くと土方はため息をついた。
「俺の身の回りの世話役だよ…」
それを聞いて早雪は涙が止まった。
「身の回りの世話役?」
「あぁ…だから、ずっとこの部屋にいろよ」
土方がそういうと早雪は驚いた。確かに土方の部屋は広い。早雪の部屋の倍くらいはある。
「ずっと…って夜も?」
「あぁ…布団は持ってこいよ」
土方はそう言って煙管の灰を落とした。
早雪は驚いて土方を見ると土方は笑った。
「他の男から、守ってやるから来いよ…」
土方に優しく言われ早雪はまた、涙が溢れた。
「はい…。ありがとうございます…」
早雪は土方に素直に今の自分の気持ちが言えた。
「まずは、さっさと布団を運べよ…」
土方はもう普通の顔に戻っている。さっきの笑顔は幻の様だった。早雪は、自分の部屋から布団や着替えを運ぶと土方はその間、黙って書類を見ていた。
「土方さん、よろしくお願いします」
早雪はニッコリ土方に微笑んだ。土方は早雪に少し笑って言った。
「安心してここにいろ…」
早雪はそう言われ胸が嬉しい気持ちでいっぱいになった。
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