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 少しこもり気味に答えた。俺はあまり、ウェルベルと言う名前が好きではない。  ベルがつく名前は、基本的に女の子につけるものだからだ。 「あらー、可愛い名前じゃないの! ウェルベルちゃん」  案の定、真っ先に名前のことを言われた。女言葉の人が舐めるように俺を見る。 「……ウェルって呼んでください」 「ふぅん、可愛いのに。アタシはソニット・ソレアよ。ソニィ、って呼んだらいいわ」 「ソニィ、は、その……オカマさんなんですか?」 「言葉使いはこうだけど、オカマではないわよー」  うふ、と笑われ、俺の頬の筋肉が引きつった。  よく見ると、ソニィは綺麗な顔立ちをしている。妖艶な、と言うべきだろうか。
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