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両親の発病が発覚した時、俺は五歳にもなっていなかったので、あまり詳しいことは覚えていない。
先が長くないと悟った二人は『センター』に俺を預け、その数週間後、寄り添うように亡くなったと、後に『最後の家』から連絡が来た。
発病患者は『最後の家』と呼ばれる隔離施設に収容される。家族は死を看取ることも出来ないのが、この国のシステムだ。
『センター』は、この国の状況を少しでも改善するため、有能な医者や薬剤師を育成する場所だ。
入所するには『センター』から何らかの力や特徴を見つけてもらい、必要とされるしかないらしい。
俺も今年で十八になる。
『センター』が俺を必要とした理由を知らないまま、俺は医者になるべく、淡々と日々を過ごしていた。
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