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「マジかよ……?」
掲示板に貼られた試験の結果を見て、俺はうなだれた。貼られているプリントの上には、点々と黒の文字が並んでいる。
それはどうでもいい。黒色はどうでもいいのだ。
問題はその下の、赤い文字で書かれた名前だ。指でその名前を上からなぞりながら人数を数えた。
「いち、に、さん……俺入れて五人もいるじゃん」
そこに書かれているのは、欠点者の名前である。言わばお馬鹿さん達の名前が、堂々と書かれているのだ。
『センター』では、十八までの者は教育部に入れられ、毎日勉強をする。外の世界で言うところの学校だ。勿論、外とは授業のレベルが格段に違う。
十八以上の者は、研究部に入れられ、毎日毎日短命の原因を解明するための研究をする。俺も次の誕生日が来れば、研究部行きだ。
一度『センター』に入ると、許可無しで外には出られない。今の俺には『センター』以外に住むところが無いので、出たいとも思わないが。
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