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 この間の試験は、さほど難しいものではなかった。あるウイルスに感染した人の血液と、そうではないものを見分けるものだった。  俺はてっきり合格だと思っていたから、この状況は信じがたい。 「実はキリンの首は、最初は長かったのだが、草を食べるのに長すぎたために、徐々に短くなったのだ」  なんて事を言われるよりも信じがたいかもしれない。  仕方なく、掲示物に書かれている補習室へと向かう。『センター』の一番奥、普段は使われていない部屋だ。  日があまり当たらないせいか、重苦しい雰囲気の廊下を進む。
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