---02---

3/12
88人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
 この間の試験は、さほど難しいものではなかった。あるウイルスに感染した人の血液と、そうではないものを見分けるものだった。  俺はてっきり合格だと思っていたから、この状況は信じがたい。 「実はキリンの首は、最初は長かったのだが、草を食べるのに長すぎたために、徐々に短くなったのだ」  なんて事を言われるよりも信じがたいかもしれない。  仕方なく、掲示物に書かれている補習室へと向かう。『センター』の一番奥、普段は使われていない部屋だ。  日があまり当たらないせいか、重苦しい雰囲気の廊下を進む。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!