88人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
少女は溜め息を吐きながらボリボリと頭を掻いた。それに合わせて金髪が揺れる。
薄暗い部屋に僅かながらに入ってきている光が、ちかちかと彼女の髪に反射した。
「君もFREDの研究をしているのか?」
「ふれっ……ど?」
彼女の口から出た言葉を復唱した。その時、口調は女なのにやけに男らしい声が、部屋に響いた。
「何よー! 何にも知らずにここに来たわけーえ?」
声の主を探すと、少し離れた所の窓枠に、人が座っていた。
黒髪を後ろでひとつに束ねている。服装は黒のズボンに白シャツ、赤のタイ。
身長、体格、顔つき。どこからどう見ても男だ。
「ディブ、誰よ? こんな使えなさそうな子入れたのは!」
「私に訊かれてもな。センターが選んだんだろ」
最初のコメントを投稿しよう!