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その女言葉の人が発した声を聞き、部屋の中にいた、もう一人の少女もそばに来た。
「うわー、新しい子だぁ。ユーリもねぇ、ついこないだ来たとこなんだよぉ」
その子はにこやかに俺の手を握り、上下にぶんぶんと振った。
金髪の女の子と同じくらいの身長だが、もう少し幼く見える。ふわっとした、緑色のボブカットが可愛らしい。
「名前は何ていうのよ?」
女言葉がどかっと椅子に座り、机に頬杖をついて俺に聞いた。
喉の奥が渇いている。少し緊張していた。様々な視線が俺に集中している。
「ウェル……ウェルベル・フォスキンスです」
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