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町民の避難後、帝国軍はこの町で補給せず、近辺の広野に駐留していた………らしい。
その現状が2時間ぐらい続いた頃だろうか、僕は町にゾイドが来て殺されるかもしれない『恐怖心』よりも、本物のゾイドを初めて見れる『好奇心』のほうが勝ってきていた。
この町の子供はみんなそうだっただろう。ゾイドといえば物語と図鑑だけの存在。実在したことすら始めて知った子だっているはずだ。
なんか話がずれているが、まぁいい。とにかく、そこまで僕はこの時、家から抜け出して生で本物のゾイドを見たい衝動にかられていた。
だが、一緒に隠れているお母さんやお父さんは絶対許してくれないだろう。
そう思った僕は、二人に「トイレに行ってくるね」と言い、窓から外に出たのだった。
「外に出るんじゃないぞ」と言ってくれたお父さんの言葉を無視してまでである。
後に、この行動だけは正しいながらも最悪の経過を継続させることが証明される。
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