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―― ジェノザウラー である。
当時の僕は名前すらわからなかった。
当時の僕が視ていた図鑑はその時ですら十年以上昔のものだったためである。
当然、ジェノザウラーがその昔に存在していた最凶ゾイドの一体・デスザウラー の再生計画中に偶然誕生したと噂される機体であり、ゾイド初のオーガノイドであることも知らなかった。
それから、しばらく眺めているとゾイド達に変化が訪れた。今まで(駐留中のため)静止していたジェノザウラーがこちらを、町の方を向き始めたのである。それに合わせ、他のゾイド達も向きを変え始めてもいた。
「(補給に来るのかな?)」
動き出したゾイド達を見てもそんなことしか思わなかった。
ジェノザウラーが前かがみの体勢になり、口内に光を集め始めるまでは………。
荷電粒子砲
ゾイドにおける最強火器の一つで、小型ゾイドならば部隊ごと蒸発させる威力をほこる。
その最強火器を発射するために、ジェノザウラーはこちらを向いたのであった。
「(………!!)」
ジェノザウラーが前かがみになるとほぼ同時、僕はその攻撃が荷電粒子砲だとわかり(荷電粒子砲は昔の戦争でも使われていたので、図鑑に明記されていた)、すぐに今いる直撃コースから走って逃げ出したのだった。
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