0人が本棚に入れています
本棚に追加
「柚ー!!そっちいったよー!!」
「まっかせてくだ、さああっい!!」
コートの場外へと飛んでいくボールへと向かって全速力で走っていく。
「っとりゃあああ!!!」
真っ白なボールへと思いっきり右腕を伸ばした。
指先まで必死に伸ばしたら、ビキビキって指が突っ張った。
ボールが床に触れる寸前、指先を滑り込ませてなんとかボールを上げた。
やった、と上げられたことへの喜びで、つい受け身をとるのを忘れて顔面から床とこんにちわした。
「っのわあああああ!!!」
「ナイス!柚!」
わあわあとコートがまた騒がしくなった。
え、この状態の私シカト?
まさかの放置に泣きたくなったけど、いつまでもこうしているわけにもいかないから、両手をついてぐっと上半身を起こした。
それと同時に、ポタッと右手に生温い感触が走った。
まさか、と思ってそれを凝視すると想像通りの赤い点々が広がっていた。(あ、また増えた)
とりあえず奇声を発した。
_
最初のコメントを投稿しよう!