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「朱華、センコー来たぜ」
「っち、」
「おいおい、其処の不良共、自分の席着きやがれ」
大人の落ち着いた声が教室に聞こえた、朱華が舌打ちしたのと同時に教室に入ってきた担任の第一声がこれだ。見た目はかなりイケメンと言える類。癖毛が所々跳ねている紺色の短髪、翡翠の瞳をしている。彼がこの1―Aの担任、鈴木 慶太(スズキ ケイタ)だ。
「何こいつ。俺らの事知んねぇの」
「単なる馬鹿。だろ」
言いたい放題の彼らに対し
「お前らの事は知ってるさ。それと、龍院 朱華。理事長が呼んでたぞ」
「…」
「朱華、お前早々になんかしたのか」
担任の口から予想外の事を言われた当人はあいた口がふさがらないのかあんぐりとしている。その様子を見ていた椿がこれまた素朴な質問をするが答えは無い
「じゃ、今日は寮の鍵配って終わりだ。番号順にこい」
担任はそんな様子の彼らを無視して話を進めていく
教室にいた生徒達は順に先生の指示を聞き行動を開始するが、不良の彼らは朱華を復活させようと躍起になっている
「鳳、沖野、早く来い、鍵要らねぇのか」
「要るに決まってんだろ」
「椿、俺らの分も!!」
「はいはい、今度なんかおごれな」
鍵を無事五人分もらって戻ってくるころには朱華は復活しており、朱華は理事長室に向かい、残りはその場で解散した
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