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無事に学園に帰って来た朱華は裏口からこっそりと園内に入り寮に向けて抜き足差し脚で音をたてないようにゆっくり歩く、するといきなり肩を叩かれる感触が朱華を襲った。
「(お、オ、オバケの、訳、無いよ、な…)」
ギギギと効果音がついてもおかしくないような様子で後ろを振り向く。其処に居たのは、
「何やってんだ、不良」
「ひ、人? い、生きてるよな」
いつもは強気の朱華だが、どうもオバケは嫌いなようで生きているかを自分の目で確認しようとする、その姿を目の前にして
「クックッ、おま オバケって クックッ」
「な、わ、笑うな!!」
お腹を抱えて笑いだす青年を見て醜態をさらした恥ずかしさから顔を赤らめる朱華は右ストレートを繰り出す。
不意の攻撃に一瞬目を見開くが、軽々交わす。
「危ないな。ところでこんな所で何してる。」
「貴様に言う必要ない」
相手が人だと分かると普段の強気の態度に戻る、
「残念だが、俺は此処の生徒会でな、お前の事を聞く必要がある」
「お前じゃない、龍せ、龍院 朱華だ。で、あんたは?」
いきなりの申し出にまたもや驚かされる青年。
「俺は瀬戸 鳴海(せと なるみ)だ。さっきも言ったが此処の生徒会長だ。」
気の抜けた返事を繰り返しながら、少しずつ後退を始める朱華
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