70人が本棚に入れています
本棚に追加
何も聞か無い伊達に疑問を抱きつつも保健室にあるベッドに潜り込んで寝る朱華
それを見届けてから物音をたてないように近づきベッドをカーテンで囲う
「(とてもこの子が不良とは思えませんね。何かあるんですかね)」
疑問を抱いたのは伊達も同じらしくしばらく寝ている彼の傍にいたが教員としての仕事がある為、机に戻っていく
――コンコン
ペンを動かす音と、時たま朱華の寝息が聞こえるだけの保健室に扉を叩く音が異様に大きく聞こえた
「どうぞ、」
「失礼します。伊達先生、昨日言っていた書類持ってきました。」
部屋に入ってきたのは赤のネクタイを締めている生徒。この時間帯は普通、授業を受けているはずなのだが彼は平然としている
「ありがとうございます。瀬戸君。」
「いえ、これも生徒会の仕事ですから。」
生徒会執行部の者は授業を受けなくともいいようになっている為、殆ど生徒会の者は授業に出ていない。無論、そのためには常に成績はトップで無くてはいけない。
「本当は、鈴木先生なんですが、」
「大丈夫です。私も生徒会の担当ですから」
この学園の生徒会は教員よりも権力がでかく、理事長の次と言われている。そんな彼らを支えているのが朱華の担任と伊達という事になる。
最初のコメントを投稿しよう!