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「ん、誰か居るんですか?」
「あぁ、一年生の子がね」
ふ、と瀬戸の視線に締め切られたカーテンが目に入る
学校が始まって二日目の一時間目、此処に来るのはいくらなんでも早過ぎる
そう考えるとサボリだと分かる。そして昨日この学園に不良が何人か入学している、伊達先生が一年というのならば確実に不良の誰かという事になる
「不良ですか」
「世間は不良と言われている方です。」
瀬戸の考えとは違う応えを出した伊達に不思議だと言った顔をする瀬戸。
「ふふっ、不思議ですよね。覗いてみてはどうです?」
「…よろしいのですか?」
「大丈夫ですよ。」
伊達の申しでに戸惑い質問に質問だ返す瀬戸に苦笑いし「真面目ですね」と言いながらカーテンを少し開く。勿論其処には朱華が寝ている
「…龍、院…(コイツ、寝顔綺麗だな…)」
「あれ、知っているんですか?」
昨日の夜に朱華と一度顔を合している為に、自然と名を紡ぐ瀬戸、それに対し今度は伊達が疑問を浮かべるばんだった。
「あぁ、昨晩にな」
≪瀬戸様、そろそろ御戻りください。≫
保健室にいきなり現れたのは女の姿をした[トウジン]
「雷光(らいこう)か、分かった。では、戻ります」
いきなり現れた[トウジン]の名を言うところを見ると互いの事を知っているようだ。彼女は要件を伝えると来た時同様に居なくなる。もとから其処には誰もいなかったかのように静かに何かが居た気配すら無い
瀬戸が彼女の後を追うように部屋を出て行った為、伊達は先ほど渡された書類に目を通し始める。
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