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母の背後から二の腕に氷をあてながら私は訴えた。
「お母さん、私お父さんいらない。あんなお父さんいらない!」
母は黙っていた。
「こんなの続けてたらいつか私達アイツに殺されちゃうよ…」
母は泣きながら黙って頷いた。
「私お母さんと二人ならどんなことでもがんばれるよ?」
私の涙声に母が振り向いた。
「梨花…っ!!」
腕いっぱいに私を抱きよせる母。
「ごめんね…守りきれなくてごめんね…ありがとう…うぅ」
母は子供みたいに泣きじゃくった。
そして私達は両手に持てるだけの最低限の荷物をもって家をでた。
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