エピローグ

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透真と出会ってから3年が過ぎた。 目の前に幸せそうに笑ってるマイが眩しい。 …マイより先に結婚の話が出たのは私だったのになぁ。 私と透真はあれからほとんど喧嘩もなくうまくいっている。 喫茶店クローバーをマスターから引き継いで 私が料理担当になって内心うまくいくか不安だったけれど すぐに雑誌でイケメンのいるカフェという特集で取り上げられたおかげで 意外にも経営は順調で。 前の店のように透真との関係を隠したりもしていないから 苦しくなることもない。 幸せ。何も不満はない。 と、言いたいけれど…。 29歳になればまわりはもう結婚、出産、育児の話が飛び交っていて。 1番近くにいるマイまでそうなれば 正直、焦る。 透真は、優しいし、私のことを好きだと言ってくれるし 2人の未来について話すこともあるのに 肝心なことはおあずけのままで。 だから、幸せなのに、不満で。 でも、自分から切り出す勇気もなくて。 なら、期待しちゃうようなことは避けたいじゃない。 「花嫁の投げるブーケを受け取れた方が次の花嫁になれると言われています。みなさん、準備はよろしいですかー!?」 テンションの高い司会者の声が響き、群がった独身女性達がマイの背中に注目する。 「……それじゃ、困るんだけど」 「へ?」 隣でボソッと呟いた透真は私が見上げた時にはすでに駆け出していた。
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