運命はただ

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    ルルーシュとナナリーが住むアリエス宮に、叙任式の招待状が届いたのは、ナナリーがユーフェミアと電話で話した日から2週間ほど経った頃。 姉のコーネリアも参加するらしいユーフェミアの叙任式は、かなり盛大に行われるようだった。 ブリタニアと、それに関係のある国々への生中継。 まだあまり表に出ていないユーフェミアの宣伝も兼ねてとのことらしい。 話に聞くには、ユーフェミアやコーネリア仲の良い皇族や軍人はほとんど呼ばれているようだった。 「総督の就任式でもないのに、少し大袈裟すぎる気もするな」 「お兄さまはどうされるんですか?ユフィ姉さまのように大々的に…」 「いや、俺のは適当で良いよ。選んだ騎士に思い入れがあるわけでも無いしな」 「お兄さま…」 兄とはまた違う薄いブルーが切なそうに歪むのを、ルルーシュは申し訳ない気持ちで見つめた。 皇族、俺のような。 権威があるだけの奴の気まぐれで人生が決まってしまった、名前も覚えていない自分の騎士。 文字にすると、なんて軽く感じる命なんだろう。 ナナリーはきっと、顔も名前も知らない俺の騎士を思っているのだろうか。 主となる俺が必要としていないのに、その命を俺に捧ぐ覚悟で就任してくる騎士の為に開く式など無くとも構わない。 力の無い者は、力ある者に従わねばならない。 従わざるおえない。 騎士が軍人なのだから、今の世界でも当たり前のことだ。 分かっている。 分かっている。 だが割り切れない。 それはナナリーも、ルルーシュも心の中では一緒だった。      
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