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ルルーシュはその日、特別な席を用意された。
高級貴族や将校クラスの軍人とブリタニアの皇族であるルルーシュの待遇が違うのは当たり前と言うところだが、実姉であるコーネリアの次と言っても過言ではないほどの席だ。
そもそもの地位も社会的権力も高いルルーシュでも若干の遠慮を禁じ得ない。
ユーフェミアの親を差し置いて自分がそこに座って良いのかと思いもしたが、本人の判断なのだから良いのだろうか。
それとも気付いていないのかもしれない。席の順など細かいことは気にしなそうなのが、この儀式の主である。
ステージのように床から数段の階段が伸びた場所の中央にユーフェミアは立っていた。
ヒールのある真新しい靴の中で、拳の代わりに強く握った指は、誰に見えなくとも緊張を叫んでいる。
…だってここに居る人のほとんどが知らない。
私の騎士は異国の人だ。
それがどんな異例で突飛なことかはなんとなく分かる。
どんな反応をされるのだろうか――。
今更だと知っていても、やはり怖い。
自分が背筋を伸ばして、ただ凛としていれば良い話だが、あまりの緊張にそれが出来るかすら、今のユーフェミアには分からなかった。
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