落ちた首

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  「騎士と言えば…、ユフィの件もあるのではないのか?先に向こうのを決めてからでも…叙任式の日程もあるだろう」 「殿下…それはそれ。これはこれですよ。それに、ユーフェミア皇女殿下は騎士を決めたと専らの噂でございましょう」 「…噂か…。本人に聞いても上手く濁されてしまうし…、」 「ですから、殿下、適当に決めてしまった方が早々に楽になるのでは?」 「………、」 先ほど渡されたファイルを開いて軽く目を通す。 どの者も精悍な顔立ちをしているが、特にルルーシュが思うところは無かった。 ほとんどが年上。 ちらほら目に入るのが、他国人らしい顔立ちの者。 「殿下、分かってらっしゃるでしょうが」 「…ああ、別にわざわざ他国の者を選んだりはしないさ」 表向きを良くするにも名を載せるのは必要だが、他国の者がこのファイルに載るというのはいささか複雑でもある。 技量が認められたのだろうが、そいつらのブリタニアに対する忠誠はどれほどのものか。 騎士の誓いを立てたとしても、出世を狙っているだけのナンバーズ風情と皇族の為に命を捨てる覚悟のブリタニア人では違う。 ルルーシュとしても、差別や区別をする気は無かったが、やはりそういう者は避けた方が良いだろうと思っていたことだった。 「…顔と経歴のみで騎士を決めろなんてことは、なかなか横暴だと思うのだが…。」 「お気に召しませんでしたら、解任してしまえば良いのですよ。少し重く考えすぎなのでは?」 「騎士と言われると、ついついギルフォードやビスマルクの顔が浮かぶからな。」 どちらも主の為になら身の危険をいとわない、軍人なら知らぬ者は居ない名前。 あの方たちはまた特例ではないのかとジェレミアは思うのだが。 そんな時、ルルーシュのつまらなそうな目と、ファイルを捲っていた手が音もなく数秒停止した。 「どうかされましたか?」  
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