極めて不自然に、まるでそれが自然なことのように

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 季節は春。 春風は昼の魔法学校の構内に流れ、心地良い眠気を誘っていた。 そんな中、講義棟の屋上に人影、青年が空を眺めていた。 歳の十九の若い学生である。 顔は整ってはいるが表情に乏しい、そんな青年。 名はミズヤといった。 「またそんなとこにいるの? 人を避けてばかり。アナタ少し変よ」 ミズヤはその声に振り向く。 そこにいたのは最近知り合った女だった。 太陽を照り返す美しい金髪をしている。 背はミズヤと同じくらい。 彼女の顔は端正で非の打ちどころが無いと言っても良かった。 名はレオといった。 気味の悪い女だ。 ミズヤはそう思わざるを得なかった。 何故ならミズヤはこの女を確かに殺したはずなのだから。
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