極めて不自然に、まるでそれが自然なことのように

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ミズヤはあまりのことに臆した。 これまでにそんなことはなかったから。 「心配しなくていいわ。誰にも言わないから。それよりアナタ、面白いことしてるのね。人殺しだなんて」 ミズヤは自分が人殺しであるにも関わらず、この人殺しではない女に自分以上の狂気を感じた。 人間の振りをした人間ではない何か。 そんな感じがしたのだ。 「私の名前はレオ。この地域の魔法学校に通ってるわ。アナタは?」 初め、ミズヤは言葉が出なかった。 こんな奇怪な状況で自己紹介なんて出来るのか。 「人は殺せるのに自己紹介も出来ないの?本当に変わってるわね」 女は賢い雌狐のような眼でそんなミズヤの心の不可解を指摘した。
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