極めて不自然に、まるでそれが自然なことのように

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「私、アナタの殺した男について調べたの」 ミズヤはそのレオの言葉にぞっとした。 調べる、死体をか? 普通の女学生がやることではない。 いや、首に氷剣を打ち込んでも動じないこいつはもはや普通ではないのかもしれないが。 「一見普通の男だった。経歴に変なとこ、例えばアナタに恨みを抱かせるようなとこはないし。今の私の知る限りではね。ただ、一つ、これは経歴ではなくて精神の在り方だと思うんだけど、彼はエホバの熱心な信者だった。アナタ、ミズヤ君はそれが嫌であの男を殺したの?」 依然として不気味な上品さを崩さずにレオは話した。 しかし、その通りだった。 ミズヤは男がエホバの信者であるから殺したのだ。 ……嘘はこの女には通用しない。 ミズヤはレオから視線を外し、その言葉を無視した。
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