極めて不自然に、まるでそれが自然なことのように

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「……黙るということはイエスね。何?エホバの終末論的な教義が気にくわなかったの?」 レオはそう言葉を続けたが、ミズヤは無視した。 黙るということはイエス。 この場合は当たりだが、一種の誘導ともとれる。 相手の意識の水面にイエスかノーかの一石を投じることにより動揺させようというのが意図だ。 ミズヤはそう考えた。 殺したやつはエホバの信者だったが、エホバの信者なら誰だって殺していい訳じゃない。 ニギハヤヒ家の提供する標的の中からエホバの信者を選んでいるのだ。 ニギハヤヒ家は警察、情報局、果てまでは政府にまでパイプがあると聞く。 人を殺してただで済んでいる理由はここにあるのだ。
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