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「ええ、父上。あちらからの申し出ならば、私を頷かせられるものをもっていなければならないはず。素晴らしく優れているものを持っている、私の上のものをもって然るべきです。
な・の・に、何も見つけられません。私を馬鹿にしているとしか思えない。そんなことを何度も、何度も。
私の心は、ズタズタに切り裂かれました。」
「王子よ…。」
王様は、額に手をあてますます悩み込みました。
王子たるもの、多少の傲慢さは、身だしなみ程度にもってしかるべき。プライドの弱い、優しい人格は威厳が感じられず、統治者となるべき人格にふさわしくない。
だか、わが息子は傲慢がすぎる。
これでは、傲慢どころか高慢の域ではないか?
お妃様も、困り顔で王子に言いました。
「ああ、なんてこと!!いい縁談が来ても、あなたがこんな態度では話にならないわ!
それに昨日の王女の国のお妃とは仲良くさせてもらっていたのに貴方ときたら!ヒヤヒヤさせられっぱなしだったわ!」
王子は、呆れたようにお妃様に言います。
「やだな、母上。」
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