SAKURA SIXTEEN

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 麻由はベースとアンプをつなぐ。  「文化祭さ、ライヴ出来るのかな?」  「ワタシはどっちでもいいけどね」  「ホント、やる気ないんだね」  「なんかどっちでもいんだ」  「燃えてないなぁ」  「麻由に萌えてるよ」  桜の発言に反応して麻由は少し距離を取る。  「でもね、中学のときはサッカーに燃えてたんだよ」  「そんなぽわーんってしてるのに?」  「目指すものがないとね、やっぱり人間はダメだよ」  桜はドラムの前に立つ。  「だけどこれには燃えられないなぁ」  手の甲でシンバルを叩くと弱々しい音が響いた。
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