#1、堕ちてきたのはうさぎさん。

2/6
前へ
/49ページ
次へ
その日、田舎でもないこの街の星がよく見える程に、夜空はとても澄んでいて……。 私、加藤カナは特別なファンタジー的要素が起きても不思議じゃないと思った。 思ったけど。 ………ねぇ? 『僕はヤトと言います。野兎と書いてヤトです。遠い星からカナさんを嫁に貰いにきました。』 けど、やっぱり不思議なモノは不思議だった。 二足歩行で喋ってるんだけど……日本語で。 ついさっきまで私のぬいぐるみのままだったはず。 それに、なんて言った? 王子?嫁? 私も妄想のしすぎで遂におかしくなっちゃった!? どう考えても不思議な事が多すぎて、頭がパンクしそう。 …どうせ私は低スペックですからね。 眉をひそめ、低く唸る私の考えている事がわかるかの様に、うさぎさんはしゃべった。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加