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その日、田舎でもないこの街の星がよく見える程に、夜空はとても澄んでいて……。
私、加藤カナは特別なファンタジー的要素が起きても不思議じゃないと思った。
思ったけど。
………ねぇ?
『僕はヤトと言います。野兎と書いてヤトです。遠い星からカナさんを嫁に貰いにきました。』
けど、やっぱり不思議なモノは不思議だった。
二足歩行で喋ってるんだけど……日本語で。
ついさっきまで私のぬいぐるみのままだったはず。
それに、なんて言った?
王子?嫁?
私も妄想のしすぎで遂におかしくなっちゃった!?
どう考えても不思議な事が多すぎて、頭がパンクしそう。
…どうせ私は低スペックですからね。
眉をひそめ、低く唸る私の考えている事がわかるかの様に、うさぎさんはしゃべった。
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