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本日2回目の視界大回転。
今度は関根くんの顔じゃなくちゃんと部室の天井が見えた。
ほっぺたが熱を持ったようにじりじりと痛む。
お尻も痛いので、机から落っこちたときに打ったのだろう。
私、今、ビンタされたの?
「せっ、関根く……ひいぃっ!」
痛む頬を押さえながらゆっくりと上半身を起こし恐る恐る目線を仰がせると、そこには関根くんの姿があった。
しかし、様子がさっきと違う。
まず、目つきが違っていた。
さっきの王子様のような優しい眼差しではなく、完璧に人殺しの目になっている。
凄い殺気がひしひしと私に伝わり、その刺々しさに体に穴があきそうだ。
そんな目で私を見下ろしていた関根君が、ゆっくりと口を開く。
「お前みたいなゴミ虫女が何身分もわきまえずに古屋先輩のこと好きとかほざいてんだよ!」
部室中に響いた関根くんの声は、物凄くドスがきいていた。
それはもうカツアゲをするヤンキーを通り越してその筋の方そのもので。
大きい声にびくっと肩を跳ねさせた私に目線を合わせるようにしゃがんで、関根くんは更にまくしたてる。
「おい、ゴミ虫女。お前自分の顔鏡で見たことあんの?そのチビも含めて」
「……え、あ」
「どうせ古屋先輩のことだって顔で選んでんだろ?あー、嫌だ嫌だ。お前の脳みそワラジムシレベルかよ。単純すぎ」
「うっ……」
「あ、なに、泣くの?ははっ!止めとけよ。ブスが5割増しになるぜ」
関根くんの……いや、関根はるかのそのいじわるそうなニヤニヤ顔を見たとき、私の中で導火線に火がついた。
そしてその導火線は極端に短く、すぐに爆弾に火がつく。
無論、瞬時に爆発した。
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