悪夢のような1日目

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ここは山梨県南巨摩郡富士川町。最近鰍沢町と増穂町が合併してできたばかりの田舎町だ。 時刻は4時半。 20号沿いに新しくできて仲間内で話題になっていた『ばんからラーメン』を家族で食べに行くために、本来ならば歩いて5分圏内の保育園まで、私は妻と生後半年の息子と一緒に、わざわざ車に乗って4歳の娘を迎えに行った。 私は駐車場に車を停め、車内で待っていたのだが、娘を迎えに保育園に入って行ったきり妻がなかなか出てこない。 私はまた娘がなかなか遊びにキリがつかないでいるのかなと思っていると、保育園の中から町の保健士さん(?)だかが俺を呼びに来たではないか。 保育園の部屋の一室に招き入れられた私を待っていたのは、私服の警察官が2人と、児童相談所の職員2人だった。 イスに座っていた妻が動揺して泣きじゃくっていた。 なんでもうちの娘にアザや火傷の跡があるのは、虐待されている可能性があるからで、一時保護するとのことを私も急に告げられた。
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