▼イジメ #01

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俺ははじめ、冗談かと思った。 今日だからこんな冗談を言うのかと思った。 だけど、なんかホントに歌菜が自殺をしてしまうのではないか、とそんな気がした。 そのことがあったっては困る。 嫌、困る所の問題じゃない。 俺はバイトなんて忘れて、の裏口から抜け出した。 置き手紙には乱雑な字で 『クビでも構いません 彼女が自殺みたいなことしそうなんで、止めてきます』 と書いて、走った。 走ってる間、歌菜に何度も電話した。 でも出なかった。 それでも諦めなかった。 そしたら、何十回もかけた時、 歌菜が電話に出た。 けれど、すぐに切られた。 一瞬戸惑ったけど、歌菜がまだ生きていることが分かっただけで、それだけで良かった。 それからも諦めずに、電話のコールを鳴らし続けた。 歌菜は時折電話に出てくれる。 でも何も話してくれない。 ただ通話ボタンを押して、携帯を放置しているみたいに。 歌菜の声は聞こえず、周りの雑音だけが聞こえる。 その雑音の中に、聞こえた。 歌菜の居場所がわかるヒントが。 _
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