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「谷せんせ!そろそろ許してあげてよ、お願い!」
「……はあ……。
瑠璃がいうんじゃしょーがないな。
ほら、さっさと席に着け!」
彼に助け舟を出したのは幼なじみの
『如月 瑠璃(キサラギ ルリ)』。
名前の通り綺麗な瑠璃色の目で、赤髪のポニーテール。
学校ではかなり有名な美人だ。
「うぃーす、分かったよ。」
桂馬は渋々といった様子で席に着く。
すると右隣の席に座っている瑠璃が彼に話し掛ける。
「……あんたさぁ、もうちょっとしっかりしなさいよ。
今日から二年生よ?」
「分かってるよ、そのくらい。」
「いーや、分かってないね。
分かってたら遅刻なんかしないもん。」
「お前もお節介な奴だなぁ……。」
「当たり前じゃん、何年一緒にいると思ってんの?」
仲がいい二人。
彼達は幼なじみだった。
すると、今度は後ろの席の男子が話し掛けてくる。
「桂馬、如月に心配かけすぎんなよ。」
「こいつが勝手に心配してくるだけだよ。」
今話しているのは桂馬の親友、
『大須賀 満(オオスガ ミツル)』。
緑髪のセミロングで、ワイシャツの第一、第二ボタンを開けている、かなりチャラい感じの見た目。
だがモテ男。
「いや、桂馬。
お前はこんな可愛い幼なじみが心配してくれてるんだぞ?
こりゃあ恋の予感……。」
その言葉を聞いて瑠璃が顔を真っ赤にして立ち上がる。
「な、何言ってくれてんのよ!!」
「ギャフン!!」
どすーん!
いい音出して吹っ飛ぶ満。
瑠璃の回し蹴りが後頭部に直撃していた。
「おい瑠璃、テンションが高いのはいいが朝のショートホームルームぐらい静かにしてくれ。」
「ご、ごめん……。」
流石に暴れ過ぎた彼女は谷に怒られる。
「おーい、満。大丈夫か?」
「はは、心配いらねえよ。俺は桂馬がいる限り死ぬ事は無い!」
「きめえよ!オレはお前の何なんだよ!?」
「え、親友だろ?」
「し、親友だけどさ。そこまで言われると、なんつーか……。」
「もしかして……桂馬は俺の事を迷惑だと思ってるのか?」
満さんの声のトーンが落ちる。
「俺は、桂馬に嫌われちまったのか……。」
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