無人

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街が見えた私は安心して、青と赤の屋根を目印に探索を開始しました。 それからしばらく歩いていたのですが、私はまた不安にかられました… いくら歩けども人一人会わないのですよ…。 家には人が暮らしている形跡はあるのですが、どこからも人の気配がなく、聞こえてくるのは風の音だけ… 不安を抱えたまま人に会える事を期待しながら歩いていると、少し傾斜がかった高架が見えてきて、電車の走る音が聞こえてきたのです。 (あ、よかった電車走ってるなら人いるな) なんて思いながら高架上の線路を走る電車を見た私は、すぐにそこから走って逃げましたよ… 傾斜がかった高架は電車の中がハッキリとみえたのですが車内には… 誰も乗っていなかったのですから… 車掌もいないのに走る電車。 そこで初めて恐怖を感じた私は、目印にしていた屋根まで戻って来たのですが… ないのです… 獣道に繋がる階段が… 道は真っ直ぐにしか行かず、目印にした青と赤の屋根の家はそこにしかなかったので間違えるはずもないのに… 私はわけもわからず付近を探しました… ですが階段が見つからず、結局その場から離れまると小さな鳥居と祠があるのを見つけたのです。 私は藁にもすがる思いでズボンのポケットを探すと5円を発見。(普段お金を持ち歩いてはいませんでした。) 5円を賽銭箱にいれ 「神様お願いします!こけから出してください!」 と願い、もう一度目印の家まで行くと今度は階段がありました。 脱出(?)出来た私はその日は探索を止めすぐに家に帰りました。
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