お稲荷様

2/2
前へ
/28ページ
次へ
これは小6の時に出会った悪友(以下M)から聞いた話なのですが…正直私は疑いましたね。 Mがまだ幼稚園児だった頃、肺炎になり生死をさ迷っている状態になってたそうです。 本人曰わく、どこかの森の中に居て、泣きながら森の中をさ迷っていたそうなんです。 少し歩き、開けた場所に出るとそこには一匹の真っ白なMより大きい狐が居たのです… 狐はMの傍に寄ると優しく尻尾で包んできて、背中に乗せられたそうです。 Mは不思議と怖くは無かったと言ってました。 Mを乗せたまま走るとMのいる病院に着いたそうです。 狐はそのまま壁をすり抜けてひとつの部屋に… そこには管に繋がれているMがベッドに横になって、Mの両親がずっと泣きながら寄り添っていたそうです。 それを見て泣きそうになるMの背中を狐が押すと、景色が反転し、気付くと目の前には両親の顔が… 一瞬自分の身に何が起きたのか分からなかったそうですが… 戻れたー それだけは分かったそうです。 Mが後に聞いた話では祖父が神社にお祈りしていたとか…あれは祖父の願いを聞いてくれたお稲荷様だったのでしょうか…? そのおかげかMは、今では憎ったらしく成人しました。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加