藤田奈央

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その女子生徒―――藤田さんは僕の家の手前で曲がって行った。 この姿見られてたらどうしよう…… まさか誰も見てないよね…… 見られてても大丈夫か…… 曲がった角の方を見ると、すでにピンク色のカバンは見えなかった。 急に遠くなった気がした。 雨の音がいっそうよく聞こえるようになった。 『悲しい』って気持ち、思い出した。
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