33人が本棚に入れています
本棚に追加
「梨花はいいねー」
「え? なになにっなにっ」
にやにやとしながらにじり寄る私に梨花は身じろぐ。
「愛食家なのにそんなスリムスタイルさんで可愛い顔みせびらかしちゃってーっヤセの大食いめっ!!」
いいながら私は悪戯っぽい笑みを浮かべながら、彼女の横腹をつついた。
「やっ!いやーんっ」
ケラケラ笑いながら梨花が鞄でガードする。
冗談ぽくしてごまかしたけど、本当に羨ましくて口にした言葉だった。
私の自慢の友達の梨花。
この子がいないと私はいつだって、教室の角で一人小さくなってるだけの臆病者なんだ。
一緒にいたら本当に楽しくて、だけどこの子の持ってるものすべてが本当に羨ましくて、度々惨めな気持ちになる。
人間てつくづく我が儘に出来ていると思う。
無い物ねだりをついつい分かっててもしてしまうんだから。
…梨花に対して良くない事ばかり考える事しか出来ない自分に対して心底自身を嫌悪する。
最初のコメントを投稿しよう!