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カン、カン、カン、カン、カン、カン、カン、カン
無機質に一定のリズムでなり続ける、聞き慣れた遮断機の機械音。
降りた遮断機と線路越しに見える十字路。
ここを過ぎた所で、梨花と私の帰宅方向は違うためお別れだ。
プラプラと片手で鞄を揺らしながら、私は帰ってからの夕飯の支度の事を考えていた。
お母さんの帰りが遅いから急ぐ必要はないけれど、基本的に帰宅してからすること言ったら、勉強とご飯作り位だ。
傍らの梨花も同じ様に頭はすっかり帰宅モードなのか、視点の定まらない瞳でぼんやりとどこを見るわけでもなく、前方を眺めていた。
………ん?
ふと私の視界になにかが横切るのが見えた。
……?
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