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十字路の分かれ道で、互いに別々の帰路になる。
「のどかのどか、今日はありがとねっ」
「はいはい、お勉強指導はこの、のどか先生に任せてくださいなっ」
「フフ…うん、それじゃっ」
梨花は小さく笑むとそのまま背を向け、小走りで帰路へと向かう。
そんな梨花の背に、意地悪っぽく釘をさしておく事にした。
「梨花ーっ今日お勉強した所ちゃーんと帰ってからも予習復習しなさいよーっ」
「きゃははーっ了解っ」
…その返事が怪しいのよ、その返事が。
挨拶もそこそこにかわしたし、梨花を見届け私も静かに踵をかえす。
ゆっくりとしたあしどりで家へ向かうのだった。
「今晩は、何にしようかな」
帰って誰も居ないとわかっていれば、あしどりも自然に遅くなっていた。
ヒラリ
ヒラリ
電柱を止まり木にして、高見から一部始終の光景を『ソレ』は見ていた。
鮮血の様な真っ赤な羽に、怪しげな光を灯しヒラリヒラリと羽ばたかせながら。
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