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「そんなことよりさっきはなんて言ったの?」 秋はアゲハはいるところに上ろうと必死に頑張りながらきいた 「……別に…何も」 「何もってことはないんじゃない?なんか微妙に怒ってたっぽいし」 朝陽がすかさず反論する 「…たいした事じゃないですよ ただこの格好の時にアゲハって呼ばれると男装した意味がなくなるので別の呼び方にしてもらいたいだけです」 アゲハはもう既に上に上ってきた秋に対して上ってくるなとは言えなかった 「それじゃあなんて呼べばいいの?」 緋呂がアゲハを見上げながらきいた 「……空(ソラ)」 アゲハは空を見上げて少し考えた後素っ気なく答えた 「空っていい名前だね」 「………お褒めの言葉ありがとうございます」 秋がニコニコ笑って言うとアゲハは素っ気なく返事をしてまたノートパソコンを開いた 「ねぇねぇ空!さっきから何してるの?」 秋が興味津々にノートパソコンを覗き込む 「仕事です」 「仕事してるの!?凄いね!何の仕事?」 「お母さんの会社で午後からのプレゼンに使う資料を作っているんです」 「なんで空がそんなことしてるの?」 「お母さんが処理しきれないので代わりに私がやっています」 アゲハは秋からの質問に手を休めることなく答える 「できました」 しばらくして空がぽつりと呟いた アゲハはできたばかりの資料をメールで瑠美に送った アゲハはノートパソコンを鞄にしまった後軽く伸びをしてから口を開いた 「先輩達は授業出なくていいんですか?」 「俺達はSクラスで生徒会役員だからいいんだよ」 千晴が答える 「Sクラスってなんですか?」 「Sクラスとはお金持ちの中でも特に上の頭の良い人しか入れないクラスのことで 普段は自習で授業はたまにLHRがあるくらいです Sクラスだけ特別に3学年合同ですからね 今のSクラスは男子は僕達6人女子は2人しかいないんですよ ちなみに遠野さんもSクラスですから女子は3人になりますね」 陸が事細かに説明してくれた
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