君は俺 俺は君

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今日夢を見た。昔、中学生の三年間見続けた夢だ。よくそれで魘(ウナ)されてクルリやマイルに起こしてもらったことがある。 その夢は高校に入学してあのムカつくムカつくムカつく、殺したいてか死ねばいいと思う 平和島静雄に会った夜から見なくなった。お陰で寝やすくなり、それから安眠が続いていた。昨日までは。 夢の内容はこうだ。白い俺がいてよくわからない事を語りかけてくる。 「…やあ、久しぶりだな。折原臨也。」 「お前…」 「俺も折原臨也だ。つまり、君は俺、俺は君だ。…久しぶり君の夢に出てきたのは意味があるんだ。」 奴、折原臨也…つまり俺は俺の首に手をかけて耳元で囁く。 「約束だ。身体をかえしてもらおうか。」 「なに…」 「その身体は元々俺のだ。約束しただろう?中学生のとき、一定の年齢になったら返すって…。嘘は許さない。…返さないってんなら、折原臨也、お前の人生を壊す。」 目の前の赤い瞳の自分に、俺は嘘だと思えなかった。しかし、約束したのを思い出すことが出来ない。そんな約束した覚えがない。 「…目が覚めたらゆっくり話そう、部屋で待ってる。」 そう告げると、折原臨也は首から手を離して消え、俺は目を覚ました。 「…久しぶりの夢だったな…」 「おはよう、片割れ。」 「!?」 ベッドから身体を起こすと、横にはすっかり着替えて、いつものコートを着ている俺がいた。ただ一つ違うといえば、目が赤いことだろう。 「さあ、話をしようか。」 俺はいつもの服に着替えたあと、朝食をとりながら折原臨也の話を聞いていた。
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