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ただ一人残されたトムは仕方なく次の仕事に向かうことにした。
「…まいた、ようだね」
自分のマンションにはいり、シズちゃんが来てないことを確認すると買ったものを冷蔵庫にいれ、ソファーに座った。
すると、トイレから聞こえてくる流水音。誰かいる。俺はトイレに向かい見知らぬ不法侵入者だったらやくざにでも渡してやろうと決めていた。
だが、トイレから出てきたのは同窓生の彼女のセルティ・ストゥルルソンだった。セルティは何ともないといった態度でトイレから出てきた。
『おかえり、早かったな』
「……なんでいるの」
それが池袋で俺がセルティに言った最初の言葉だった。
「ようするに、俺に用事があったセルティは新宿に行ったが俺は居なくて、代わりに波江がいて、波江は俺の居場所は教えてくれなかったから、新羅に聞いたら俺の引越し先を知っていたので、新羅から渡された合鍵と一緒に此処に来たわけか」
『そ、そういうことになるな。』
「というか引越し先だれにも教えてないんだけど、なんで知ってるの?」
セルティはずっと被っていたヘルメットをとり、傍らに置いた。
『新羅によると、前から臨也がこのマンションの部屋を下見に来ていたのを知っていたらしく、事前に合鍵を作ってたらしい。』
「…それ、違法だよね。この場に居たら即フルボッコだよ。…ま、新羅は今度殴るとして…、セルティの用事ってなに?」
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