『え、殴っていい?』

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朝、暑さで目が覚めた。ベッドから降りて、テレビをつける。時間は10時。何時もより少し遅い時間だ。 普段なら波江が来て朝飯を作って、もう仕事を始めてる時間だが、波江は新宿の家にいるため此処には自分一人だった。 今日も仕事あるし、着替えようと寝間着を脱いだとき、目が覚めてきたのか自分の身体の違和感に気がついた。 「…え?」 それは男にはなくて、女にあるもの。胸だった。 「…なんで?」 それが俺の頭を占めた。 「セルティー!此処に置いてあった父さんの薬品知らない?」 セルティは新羅に聞かれ、新羅の元に行ったが昨日まであった薬品がなくなってるのは彼女も知らなかった。 『知らない。』 「昨日来た、臨也が持ち帰ったのかな…。」 新羅は腫れている頬を撫でながら、うーんと悩んだ。 『というか大丈夫か。まだ腫れてるぞ』 「セルティ、心配してくれるの?ありがとう!僕にはそれだけで幸せさっ!」 『…まあ、お前がやったことが原因だというか…』 一昨日、セルティは臨也の新築に行き不法侵入行為をした。合鍵を使い、勝手にお茶などを飲んでたらちょうど臨也が帰ってきた。事の次第を話すと新羅が原因ということになり、昨日来た臨也に殴られたのだ。 「でも臨也で良かったかな。静雄だったら死んでたよ」 『確かに…。』 その時、セルティは何かを思い出し声をあげた。 「どうしたの?」 『ごめん新羅。昨日言おうと思ってたんだが…。お前に無断で杏里ちゃんと帝人を此処へ呼んじゃった。二人とも何かを思い詰めてるみたいだから少しでも…、今日くらいは楽にしてほしいと思ったんだ』 「ああ、それくらいいいよ。セルティと二人っきりになれないのは残念だけど、まだ夜が残ってるし。夜に大人の営みを痛っ!!」 変な事を口走る新羅にセルティは影を平手に変えてばちこーん、といい音がするくらい平手打ちをした。 それと同じくらいに部屋のインターホンが鳴り、セルティが出ていく。 「いてて…、そんなセルティも俺は好きさ。」 微笑みを浮かべながら、二人に出す予定のお菓子をリビングに用意して行った。
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