『え、殴っていい?』

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私は杏里ちゃんや帝人が来たんだと思ったが、目の前にいるのは昨日、新羅を殴った張本人 折原臨也だった。 なぜ、臨也が此処に? 「………新羅、いるよね。」 臨也はコートで胸元を隠して何時もより真剣な表情で私を見てきた。 表情からするとなにやら真剣な話らしい。 『ああ。奥にいる。』 「邪魔するよ。」 俺は急ぎ足で奥にいくと、なにやら客が来るのかお菓子やら用意をしている新羅がいた。 「あれ、二人じゃないんだ」 『ああ。なんか出たら臨也だった』 「客、来るの?」 「うん。杏里ちゃんたちがね。…まあ、座りなよ」 新羅にそう促され、ソファーに座った。 「で、何の用?」 「驚かないでよね。」 俺はコートを脇に置き、黒のTシャツを脱いだ。 「ちょ…、え…ええ!?」 『な、え、お前女だったのか!?』 新羅は手で目を隠しながら、だが指の隙間からしっかりと見ている。 「いや、臨也は男だったはず」 俺は冷静さを失っている同級生を半裸で殴りながら、笑顔で応対した。 「とりあえず、人の話聞こうか」 『…とりあえずお前は殴るのやめろ、そして服を着ろ』 「…ていう夢を見たんだ」 「それ、ウチまで来て言うこと?」 「いや、なんとなく言いたくてねえ…」 殴っていい? (殴ったら斬るよ) (じゃあ静雄呼んでこよー)
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